こんにちは!名古屋の離婚弁護士です。
今回は、離婚届作成後に、やっぱり離婚する意思がなくなったという場合の離婚届の効力についてお話しします。
ある夫婦が話合いの末離婚することになり、離婚届を作成しました。しかし、離婚届はすぐには提出されずにいました。
そのうち、夫婦の一方がやっぱり離婚したくないと考えるようになり、市役所の職員に対して、もし離婚届が提出されても受理しないでくれと言いました。
しかし、その翌日、夫婦の他方が離婚届を提出し、結局受理されてしまいました。
この場合、離婚は有効に成立するのでしょうか?
この事例と同様の事案で、裁判所は、離婚は無効であると判断しました。話合いによる離婚、つまり、協議離婚が有効に成立するためには、①離婚意思と②離婚届の提出が必要です。
この①離婚意思は、②離婚届の提出の時点で存在していなければなりません。ですので、上の事例のように、届出時に夫婦の一方に離婚意思がないことが明確な場合には、協議離婚は無効となるのです。
なお、上の事例では離婚届が受理されていますが、現在では不受理申出制度という制度があり、あらかじめ本籍地の市町村長に対し不受理申出をしておけば、その申し出をした本人が出頭して届け出たことが確認できないときは、届け出が受理されないことになっています(戸籍法27条の2第3項、4項)